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アカデミー受賞!感動の作品「Room ルーム」は実話!?

母と子の愛描く、「Room ルーム」は実際に起こった事件が元ネタ!?

※こちらの記事は一部ネタバレを含みます。

 

主演のブリー・ラーソンが第88回アカデミー賞受賞を果たした作品「Room ルーム」

監督:レニー・アブラハム

キャスト:ブリー・ラーソン/ジェイコブ・トレンブレイ他

 

 

▼あらすじ▼

7年間監禁された女性と「部屋」で育った5歳の息子が外の世界へ出て社会復帰をするまでを描いたヒューマンストーリー。

5歳のボクには「部屋」が世界のすべてだった。

テレビ、ベッド、クローゼット、そしてママ。そんな愛息子に外の世界があることを告げるママ。決死の脱出から、社会へ復帰する苦悩、親子の愛を描いたヒューマンストーリー

 

本作品の原作はエマ・ドナヒューの小説「部屋」だそうです。

小説はフィクションですが、エマが「部屋」を執筆するにあたって、着想を得た、実際の事件があります。

その事件とは2008年にオーストリアで発覚したフリッツル事件です。

フリッツル事件(Fritzl case)とは、2008年4月に42歳の女性エリーザベト・フリッツル(1966年4月6日生)がオーストリアのアムシュテッテンの警察に対し、彼女が24年間に渡って自宅の地下室に閉じ込められ、父のヨーゼフ・フリッツル(1935年4月9日生)から肉体的暴力、性的暴力を受け、何度も強姦されたと訴えたことから発覚した事件である。父親からの性的虐待によって、彼女は7人の子供を産み、1度流産した。日本では、「オーストリアの実娘監禁事件」[1]また「恐怖の家事件」等として報じられた。

出典:フリッツル事件 - Wikipedia

 映画では、ブリー・ラーソン演じる母親ジョイが17歳の時に誘拐され、7年間を納屋で過ごしていましたが、実際の事件は想像を絶するほど恐ろしい事件だったようです。

 

「ルーム」原作者が着想を得た、実際に起きた事件は残酷すぎる!

映画「Room ルーム」の原作である「部屋」の作者、エマ・ドナヒューが着想を得た

「フリッツル事件」は、映画のストーリーと比べるとあまりに残酷な事件でした。

 

▼映画との相違点

  • 犯人が実の父親
  • 24年間の間自宅地下室へ幽閉
  • 性的虐待の結果、7人もの子供を出産

映画「Room ルーム」の中で、母親ジョイは他人であるオールドニックに誘拐され、7年間の時を納屋で過ごしました。

しかし、実際の事件はなんと犯人が実の父親

それだけでもショッキングなのに、なんと24年間も地下室に閉じ込められていただなんて。

そして、映画「Room ルーム」では性的虐待の末、1人の息子を出産していましたが実際の事件は7人もの出産を強いられたとのこと。しかも相手は実の父親という。。

映画「Room ルーム」は、母親と息子の絆、そして悲しい事件からの社会復帰への葛藤を描いたヒューマンドラマでしたが、実際のフリッツル事件をそのまま映画にしたらもっと悲しいお話になっていたのかもしれません。

 

「フリッツル事件」どうやって事件発覚したのか?

映画「Room ルーム」では、息子ジャックの勇気ある行動により、事件が発覚します。

では、映画の元ネタとなったフリッツル事件はいったいどのように発覚したのでしょうか?

フリッツル事件の被害者エリーザベトは実の父による性的虐待の結果、7人の子供を出産します。

そのうちの1人は生後すぐに死亡し、残りの3人は被害者の両親が育てました。

被害者の母親は、娘エリザーベトが自分の夫に監禁されていることになぜ気づかなかったのか??

犯人である父親ヨーゼフは、監禁後にエリザーベトに無理やり手紙を書かせ、家出をしたという偽の事実を作りあげました。

両親が育てた3人は、生後すぐにヨーゼフが取り上げ、家の前に失踪中の娘が「育てられないのでお願いします」との手紙と共に置いていったという風に見せかけたのです。

ここまで手の込んだ工作の結果、母親は事件に気づかなかったようです。

残る3人の子供は、地下室の中でエリザーベトが育てました。事件の発覚となったのは、そのうちの1人が重病にかかり、病院に運ばれたときです。

ヨーゼフの説明に違和感を感じた病院スタッフが警察に通報し、事件が発覚したそうです。

監禁から24年間、やっと被害者エリザーベトは暗い暗い地下室から解放されたのです。

 

「フリッツル事件」被害者の今は?子供たちは?

映画「Room ルーム」では、被害者である母親ジョイが、事件発覚後に社会復帰に苦戦する様子が描かれていました。

では映画の元ネタであるフリッツル事件の被害者エリーザベトは今現在どうしているのでしょうか?

24年間という長い期間の監禁生活で精神状態がボロボロであったエリザーベト、また不幸な虐待により生まれた子供たち、そして夫が実の娘を監禁し、犯し続けていたエリザーベトの母親は事件発覚後、病院に入院し、精神疾患の治療を受けたそうです。

映画の中でも、感情のコントロールができなくなったジョイは精神的な治療を受けていましたね。

又、事件発覚のきっかけとなった重病を抱えたエリザーベトの娘は2008年、回復したそうです。

近親相姦により生まれた6人の子供たちは、全員が遺伝子的な問題を抱えていたそうです。また、自分たちの生まれた経緯も知らされたそうです。

事件の被害者は、エリザーベトだけではなく、母親、子供たち全員ですね。1人の男の残酷な行動により、家族全員が不幸になってしまったのです。

そして犯人である父親ヨーゼフの終身刑が確定した2009年、エリザーベトはボディガードの男性と結婚されたようです。

長い年月を苦しんだ彼女が、心穏やかに過ごしていけていると願いたいですね。

 

まとめ

まさに事実は小説より奇なり。映画「Room ルーム」は実話を基にした作品でしたが、実際の事件は映画よりも残酷で、辛い事件でした。

世界には、こんな残酷な事件があるのかと耳を疑うような事件ですね。

映画「Room ルーム」は、残酷な事件の被害者である親子の愛と、社会復帰への苦悩を描きながらも、主演のブリー・ラーソン、子役のジェイコブ・トレンブレイの演技に心打たれるヒューマンドラマです。

悲しい事件ではあるものの、親子の愛、家族の在り方を考えさせてくれるとても素晴らしい作品でした。

 

 

 

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